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    アンチスコア(ラルゴ)


     『ND2015夕刻 ケセドニア北部にて』


    【人物】 ヴァン
          ラルゴ

    【場所】 ケセドニア戦場跡地
         夕陽に赤く染まった大地にオラクル兵の屍が累々と横たわっている



    ラルゴ 「ここにいたのかヴァン。傷に障る。早く天幕へ戻れ」

    ヴァン 「貴公か。……よく見ておこうと思ったのだ」

    ラルゴ 「スコアは変えられないという現実をか? 今更の話だろう。俺たちは戦った。そして負けた。スコアにな。いつものことだ。死んでいった奴らはスコアに喰われた。貴公は本気で奴らの運命を変えようとしていた。スコア通りに死ぬのを善しとする指揮官の下で死ななかっただけ、将兵らにとってはマシな死に方だったろうさ」

    ヴァン 「勝てば死霊使いへの意趣返しにもなった戦だったのだがな。殲滅の預言を覆すことができなかった今、彼らの死に意味はない。敗戦の責任は私にある」

    ラルゴ 「ダアトの上の連中はスコア通りになって満足だろうさ。貴公には不本意だろうがな」

    ヴァン 「……レプリカ計画を進めながら、私は迷っていた。スコアから解放されるには星の記憶を消滅させるしかない。少なくともそれに匹敵する混乱を世界に引き起こす必要がある。だが、犠牲となる人々はどうなる? ホドを消滅させられた私が、この手で、他者に対して同じ悲劇をもたらすのか? 私にそんな権利があるのか? 許されるのか、と」

    ラルゴ 「ヴァン……」

    ヴァン 「故に、私は賭けをした。過去から現在に至るまで、スコアが外れたことは一度もない。しかし一度でもスコアを覆すことができたらどうだ」

    ラルゴ 「人は自らの意志で未来を選べる、スコアは変えられると証明できる。そう考えたのか」

    ヴァン 「ケセドニア戦は明確に惑星預言を覆す最後の機会だった。結果はこれだ」

    ラルゴ 「──未来はこれからどうなる?」

    ヴァン 「ND2020にはマルクトの人間は全て死に絶える。数十年の後には、キムラスカを含めた人類の全てが疫病と障気に侵されて死滅する」

    ラルゴ 「時間はあまりないんだな」

    ヴァン 「選択の時は終わった。レプリカ計画は続行だ。私はどんな手段を用いても星の記憶を消滅させる」

    ラルゴ 「理性の箍が外れまくった計画だからな。レプリカ計画が成就すればオールドラントは消滅する。それでもいいのか? 貴公には妹がいるだろう。人類全てレプリカにするとなれば、その娘も例外にはならんぞ」

    ヴァン 「よいのだ。メシュティアリカには別の役目がある。あれは強い娘だ。己の道は自ら見い出すだろう」

    ラルゴ 「フフ……身内の情も捨てるのか」

    ヴァン 「スコアと戦わねばいずれにしてもオールドラントは死滅するのだ。ならばどんな最後を迎えるかは人に選択権があってもよかろう。貴公も知っての通り、パッセージリングは耐用限界に来ている。数年も経たず外殻大地はクリフォトへと崩落する。スコアに詠まれていようがいまいがそれが現実だ。だが為政者たちは誰もその事実を知らず、目を向けようともしていない。ダアトですらスコアに詠まれていないなら大地が落ちることはないと信じている始末だ。今この問題を解決せねば後はないというのにな」

    ラルゴ 「そもそも俺たちに選択の余地などあるのか? 俺は貴公と共にスコアと戦ってきた。だがスコアは微塵も変えることはできなかった。今回の戦も、残ったのは絶望だけだ」

    ヴァン 「ND2018、全ての屍を踏み越え、聖なる焔の光は栄光を掴む者へと到達す。栄光を掴む者の死をもってローレライは解放され、ユリアの譜石は其の力を失うだろう」

    ラルゴ 「!? なんだそれは?」

    ヴァン 「オールドラントの未来は我らの屍を踏み越えた先にある。それが、ユリアの残した今一つのラストジャッジメントスコアだ」

    ラルゴ 「ハハハハハハ、スコアをもってスコアを制すか。……全くオールドラントの人間はどうしようもないな。俺も貴公も。スコアを憎みながら、結局のところスコアの呪縛から逃れられない。それならレプリカに未来を任せた方がマシだろうよ」

    ヴァン 「ユリアは子孫の私に最後の選択の機会を残した。スコア通りに死滅するか。スコアを否定し、新しい世界を創り出すか。スコアを乗り越えて、新たなオールドラントの未来を切り拓くか。フフ……言いたいことは山ほどあるがな。だが私が選ぼうと選ぶまいとスコアに詠まれた未来は現実となる。それは嫌というほど思い知らされてきた。何もせずスコアに定められた滅亡の日を迎えること、それだけは私には絶対に許容できないのだ」

    ラルゴ 「よかろう。俺も貴公の計画に一口乗らさせてもらうとしようか」

    ヴァン 「私がもたらすのは栄光や人々の幸福などではない。多くの人間の血と屍、怨嗟と慟哭の声だ。私に従ったとて、貴公には失うものはあっても得るものは何もない。それでもよいのか?」

    ラルゴ 「失うものなど俺にはないさ。何もしなければ全員死んじまうんだろう? この戦場を見ろ。仲間たちの血と屍の山を。俺たちはスコアを変えようと戦ってきた。あと一息のところまできて成功したと思った。現実はコレだ」

    ヴァン 「私の言葉を信じるのか」

    ラルゴ 「俺を見くびるな。貴公が偽りを言っているか見抜ける程度には、貴公のことは分かっているつもりだ。口にしようとしない本音もな。俺も共にいこう。世界の滅亡と再生、どちらに転んでも少なくともスコアに一泡吹かせてやれるなら、俺にとっては理由はそれで十分だ」

    ヴァン 「ならば共に来い、ラルゴ。今さらの話だったかもしれんがな」

    ラルゴ 「まったく始祖ユリアは残酷な女だな。スコアなぞ糞くらえ。誰かを犠牲にせねば救われない世界など滅べばいい。そう思っている俺たちに、あらゆる犠牲を踏み越えて、スコアでもって世界を救えと言うんだからな」

    ヴァン 「世界が救われるとは限らないぞ。私ができるのは選択の余地を生み出すことだけだ。私は能う限りの力をもってスコアを破壊する。その結果、世界が壊れようとも容赦はせん」

    ラルゴ 「その覚悟やよし。──ではいくとしようか、我らの道を」

    ヴァン 「──戻るぞ、ラルゴ」

    ラルゴ 「長く苦しい夜になるな。聖なる焔の光とやらが夜明けまで持ちこたえられるほど骨のある奴であればよいが。……例え俺たちが、その光を見ることは叶わずともな」




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